Vol.260 部長会議

●花川病院
「退院支援の看護計画」の取り組みを行なって3年目になります。今年は看護師視点の目標が多いことに着目し、患者視点を意識して目標を設定。カンファレンスでは、患者さんやご家族の退院後の希望に向けてケアができているかを確認するため、生活歴や患者・家族の思いを掘り下げて聞き出し、内容共有を行なっています。そして、今後何が必要かを課題抽出してケアに取り組むようにしています。
事例では、脳梗塞、高次機能障害で全介助状態になり、暴力暴言転倒などが見られたため脳外科病院で四肢抑制され、当院に転院してきた70代女性についてです。入院時から、これまでの家庭や社会参加でどのような役割を担ってきたかを傾聴したことで、ご本人が自身の人生を振り返ることにつながり、自分らしさを取り戻しました。さらにスタッフとの信頼関係の構築にも役立ちました。同時に本人の意思を尊重しながらリハビリを強化し、2ヶ月で無事に退院が実現。最後にはご本人から笑顔で感謝の言葉を頂くことができ、親身な対応に努めた結果だと実感しています。

その他にも、患者さんの「自宅に帰りたい」という想いを尊重して親身に受け止め、自己吸引や家族の指導なども行い、自宅へ戻ることが実現したという事例が報告されました。

森マネージャーからは次のコメントがありました。
たった数時間、自宅に帰るだけでも患者さんの様子が大きく変わると実感したスタッフもいたとのことで、非常に素晴らしいことだと思います。また患者さんだけでなく、家族の要望にもきめ細やかに対応していきたいという意見も多く聞かれたとのことで、こうした要望を多職種で共有していくことが、寄り添ったケアに欠かせないことだと思います。引き続きカンファレンスを通しての取り組みを行いながら、7月には、外部の講師の先生を招いての勉強会も実施していきたいと思います。