Vol.292 『第17回チーム医療症例検討会in東京』を開催しました

⑤しおさい

改めて、老人保健施設の出発点について考えさせられました。老健は、医療と福祉、介護の融合であり、特養との差別化を考えて作られた施設だと私は理解しています。褥瘡の完治に関しては食事の問題があります。高齢入所者の多い愛知県のある重度障害施設では、便秘がほとんど見られないそうです。施設長が医食同源を掲げられていて、興味がある方はぜひ参考にしてみてください。

⑥ライフサポートねりま

日中の生活リズム獲得の問題は、福祉では非常に重要な方法論である「バイステックの7原則」の中に、極めて重視された内容として指摘されています。本人の意思を尊重し、信頼関係構築の重要なポイントであるとし、社会福祉基礎構造改革が提起されていますが、その中でも本人の意思を尊重することが重要なテーマになっています。全て行政が判断するのではないということが、社会福祉基礎構造改革にあるわけですので、改めて福祉施設等々、老健も含めてご覧いただければありがたいです。

⑦大崎ひまわり訪問看護ステーション

患者さん自身の環境、人や物、社会の3つの側面から環境を整え、重い障害があってもそれらを重視して支援を行えば、必ずその人なりの生活ができるのがICFの発想です。それらも含めて改めて考えてみてください。

⑧ケアセンターけやき

千葉大学で教育学の第一人者であった故・城丸昭雄先生が、生前「指導とはやる気を起こさせ、本人の拒否権を認めること」と指摘されました。またリハビリ専門家で国内外に高く評価されている上田敏先生は「リハビリテーションは、単なる身体機能の回復ではなく、全人的復権が本来の趣旨である」と指摘されており、改め上田先生の存在の大きさを受け止めております。

⑨ライフサポートひなた

フロアから感動の声が上がりました。高村光太郎の妻のチエコさんは、精神障害になってから九十九里町で数年過ごされましたが、光太郎さんの親身な対応をしっかり受け止め、貼り絵の作品をたくさん作って笑顔を絶やしませんでした。そうした事例を改めてお考えいただければと思います。

⑩しおん

京都府の特養に、認知症が重く何もやる気がないからと有料老人ホームを追い出された方がいました。最初は落ち込んで泣いていましたが、もともと学校の先生だったということで施設にワープロを用意するとすぐにマスターし、施設の機関誌を作成するようになり、どんどん明るくなりました。哲学者のルソーはエミールの中で、「生きることは活動することだ」と言い残しています。