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講 演 要 旨
行動障害型前頭側頭型認知症の診断
- 行動障害型前頭側頭型認知症の場合は、診察中に「足を組む、医者を見下すなど態度がでかい」「なれなれしい」「カルテや机上の文具に手を出す」などの特徴がある。
- 前頭側頭型の方にドネペジルを使うと非常に過活動になる。メマンチンだけにすると、落ち着いた症例があった。前頭葉症状を見落とさないことが肝要。
- 認知症の治療は、今はほとんどが対処療法である。症状に合わせた薬を使っていくことが大切である。
アルツハイマー型認知症の治療薬の使い方は何が一番大切か?
- 一人一人の患者の症状や生活状況を聴取して、本人と家族のニーズを聞き、服薬管理状況に合わせた処方をすることが大事である。
- 私が診た患者さんで、アルツハイマー型認知症と診断されてドネペシルを投与した40例の変化を見ても様々で、エビデンス通りにはならないこともあった。経過観察しながら適切な薬に切り替えたりすることも大切である。
- 薬を変えるだけで、症状が劇的に変わるケースもあった。また、最近発表された研究では、重度の認知症や85歳以上の高齢者では薬が良いという証拠はなかった。一方、体を動かすと筋肉からホルモンが出てそれが、アルツハイマーの病変があっても進行を遅らせるという報告が出ている。特に高齢になったら体をなるべく動かすということが脳の健康に一番良い。