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グループC
- 患者プロフィール
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年齢:90代
疾病:膀胱がん
入院目的:療養目的
- 経過
- 急性期病院にて下血があり、CF検査を行ったものの原因がわからず。次第に嚥下困難になり、IVHポート造設・胃瘻の状態で当院に入院。当院でも時々少量の下血を繰り返していた。2月に大量の下血。主治医は病状説明を行う。この段階で検査のリスクを説明し、勧めなかったが、家族は「治療はしないものの、癌かどうかはっきりさせたい」という強い希望があり、紹介元の病院にて検査を実施。癌が判明する。姑息的手術を実施。当院に再入院の予定をしていたが、そのまま転院先で死亡。
- ディスカッションポイント
- ご家族はなぜ主治医の説明を受け入れなかったか。
医師のディスカッション内容
- 急性期病院で下血の原因がはっきりしていない。はっきりしていない状況で療養病棟の方は受け取っている。このような、「原因がわからない状態」が続いていており、一方で「ご家族がはっきりさせたい」と思われていたことが問題であったと思われる。
- 療養目的で転院する時点で、予想されることなどを急性期の先生と相談した上でご家族にきちんと説明し、ご家族が納得されていたとしたら、療養病棟で看取りになっていたケースではないかと思う。
グループD
- 患者プロフィール
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年齢:80代
疾病:誤嚥性肺炎・認知症
入院目的:急性期病院にて、誤嚥性肺炎治療後、廃用症候群となり療養目的にて当院に入院
- 経過
- 入院当初より終末期の状況。急性期病院での肺炎治療中に嚥下機能はかなり落ちていたが、娘は「食べさせたい」という強い願いを持っていた。嚥下訓練、ミキサー食開始。数口しか摂れず、経管栄養も開始となる。誤嚥性肺炎を繰り返しているため、主治医は再度病状説明を持ち、現段階で「できる医療」について説明をし、家族に選択を委ねた。その結果、主治医も想定外に胃瘻を希望される。転院先にて胃瘻を入れたものの、肺炎治療のため絶食。転院から1ヶ月後に当院に再入院となる。その後も全身状態が悪く、胃瘻は使用できないまま当院にて10日後に死亡。
- ディスカッションポイント
- 家族が胃瘻を希望しないように主治医は説明できたか。
医師のディスカッション内容
- 最初の段階で人生の最終段階にあるということが、はっきりしている。そのことを事前にご家族を含めてお話ができていなかったのではないか。
- 娘さんが「食べさせたい」という強い願いを持っているのが、娘さんだけの自己満足なのか、今までの経過に何か罪悪感なのかなど、もっと把握して対処すべきであったのではないか。
- 現段階で「できる医療」の説明を行ったとあるが、「できる医療」をずらずらと並べて、「どれにしますか?」とご家族にいう、昔ながらのインフォームドコンセントが行われたのではないか。
- 「最善の治療はこういう治療ですよ」ということや、例えば「自分だったらどうするか」ということも含めて、少し誘導風になるのかもしれないが、きちんと話をしていければ、患者さんにとっていい結果が得られたのではないかという考えが話された。