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ミッション(使命):光り輝く民間病院
- ミッション(使命)というのは「経営の基本的な考え方、組織が何のために存在するのか」ということである。
- 私が理事長になった約20年前は、病院のランク、グレードというのは公的病院が高く、民間は低いというのが通説だった。しかし当時から公的病院の中には赤字経営で税金の補填を受けているところも少なくない。
- 現在は、医療であっても税金の無駄遣いは許されない。それを実現できるのが民間である。民間が知恵と工夫で地域の医療を支えていくことが必要であり、私は理事長就任時にそのような時代が来ると信じて、健育会グループのミッション(使命)を私は「光り輝く民間病院グループ」とした。
民間の強み「効率性、スピード、そしてチャレンジ」
1. 石巻健育会病院、いわき湯本病院の事例
- 2011年3月11日の東日本大震災において、石巻港湾病院(現 石巻健育会病院)は津波で壊滅的な被害を受けた。
- しかし5ヶ月後には完全復旧を果たした。さらに2015年には建物を津波の来なかった地区に移転し、病院名も「石巻健育会病院」と新たにした。
- 一方で対照的だったのは、近隣の公立病院である。津波後、3日で復旧を断念し、患者さん達は自衛隊のヘリコプターなどで近隣の病院施設に移送された。原因は、組織が大きすぎて適時適切に動けなかったことが原因だと言われている。
- また、いわき湯本病院においても水の供給がストップし、診療を続けるのが困難な状況になった。そのような中、健育会グループでは人脈を使って、富士山から15トンの水を給水車を使用して現地へ運んだ。
- この事例のように民間というのは、効率性とスピード、そしてチャレンジである。そういうものが我々健育会グループの文化であり、東日本大震災の際にもまさにその力が発揮できたと思っている。
2. 西伊豆健育会病院の事例
- 西伊豆健育会病院は平成元年(1989年)に開設した。開院当初より「絶対に救急を断らない」ということを掲げ、開院から27年経つが、救急を一度も断っていない。これも、民間でなければできないことだと考えている。