この9年間の中で、大きく印象として残っている話題はやはり8年前の2011年3月11日に起きた東日本大震災です。健育会グループでは、宮城県石巻市の石巻港湾病院・ひまわり、福島県いわき市いわき湯本病院が被災し、石巻港湾病院・ひまわりに至っては、発災直後は連絡がとれていたものの、津波の被害を受けてからは連絡が途絶えた状態でした。健育会グループ本部では震災発生直後に「東北地方太平洋沖地震 災害対策本部」をいち早く立ち上げ、24時間体制で健育会グループの全ての病院・施設の患者さん・利用者・職員の安否情報の確認ならびに支援を行い、把握した情報とグループの動きを理事長トークを通じて発信し続けました。
その後、実際に理事長トークをご覧になった患者さんや職員のご家族から「理事長から直近の情報が号外として何度も発信され、安否を確認することができた」「職員として働く家族と連絡が取れなかったが、状況が分かり安心した」などのお声を頂きました。また職員からは理事長トークを読んでグループの動きを把握したことで、グループ内での助け合いの気運や士気が高まったとの話を聞き、嬉しく感じたことを昨日のことのように覚えています。
当時は電話での連絡が困難な状況の中、患者さん・ご利用者を預けてくださっているご家族、そして職員の家族など多くの方に向け、早く最新の情報をお届けしようと必死で行ったことですが、振り返ってみると私はその時、「適時適切な情報発信」や「思いや考えをしっかりと伝えること」の大切さを改めて身を以て知ったのでした。その学びは現在においても生き続けています。