これらを実現するのに欠かせないのが、チームワークです。みんなで話し合って良いチームを作ってください。そして上司から期待されている自分自身の役割を全うして、健育会グループのミッション、ビジョン、バリューを理解し、使命を果たしてください。
今後、少子高齢化の影響を受けて日本の介護報酬が下がっていくことが予想されます。その中で、皆さん全員に経営意識を持って経営に参加してほしいと思います。これを「our team経営」として予算も形も変えました。皆さん、予算達成に対してどういうことができるかを考えてください。そして3月のヒアリングで堂々と説明してほしいと思います。
また患者さんの「輝きの1日」を実現するには 、我々が「愛情を持って親身な対応をする」ことが欠かせません。情緒的な言葉は経営にはそぐわないので、あまり好きではありませんが、ダウン症候群の親子と出会った日に、たまたまイギリスのテレビで自閉症の親子も見る機会があり、愛情が生命力を育てることを改めて実感したのです。
ですから、皆さんには科学的にご利用者の幸せホルモンが出るような接し方で、「いつも自分のことを気にかけてくれている」と思ってもらえるよう心がけてみてください。
最後に皆さんに伝えたいのは「人間の尊厳は平等である」ということ。これは絶対に忘れてはいけないことです。よく医療機関で人の命は平等だと言ったりします。私も医学部でそう習いました。しかし現場に出て、命は平等ではないのだということを知ります。
しかし、人の尊厳は皆さんの気持ち次第で必ず平等に扱えます。ただし、人間という生き物は自分の心が悲惨だと弱いものに当たります。
だから、私は皆さんの心が豊かになる経営を目指します。そのために今年から健育会グループは、福利厚生を手厚くしました。民間ですけれども、国の方針である少子化対策も考慮して、結婚や子育ても支援していきますので、どんどん利用してください。
さらに、私は皆さんのやりがいのある職場環境を作ります。どんなに忙しくても仕事にやりがいが持てれば、家に帰った時、心地よい疲れの中で夢を持てると私は思っています。勉強することと、ご利用者様や上司からきちんと評価されること、この2つによって使命感は育ちます。健育会グループは使命感を育てるために、教育や評価に力を入れています。本当に忙しい中で、どうしてこんなに発表会が多いのかと思うかもしれません。私も大学病院時代にそう思っていました。でも振り返ってみると、そういうことで使命感が育っていったのだと思いました。皆さんが心から豊かになれるような経営を目指しますので、皆さんもぜひ一生懸命仕事も勉強も頑張って夢を持って、「人間の尊厳は平等である」ということを忘れずに頑張っていってほしいと思います。