Vol.202 令和元年第1四半期を振り返って<

今期は、“医療の特殊性”について改めて考えさせられるトピックが2つありました。1つは、懸案だった石川島記念病院の診療再開です。東京都の意向に沿って、9月1日から診療を再開する予定になっています。一般企業であれば、採算に合わない事業からは撤退します。しかし医療に関しては、たとえその地域に他の病院があったとしても、行政から指示を受けた場合などは、病院を存続させなければいけません。もう1つが、ある病院で起きた患者さんとのトラブルの対処に関して。治療を終えて退院と判断した患者さんが、病院を出て行かないということが起こりました。本来であれば医療や介護といった我々のサービスを提供する必要がなく、裁判所もこの件は不法占拠に当たると認定しています。しかし、医療法人の非営利性や人道的な配慮から、1カ月にわたって無償でサービスを提供し、先日退去いたしました。

この2つのトピックは、他の業種にはない医療法人の社会的使命について、その特殊性を再認識する良い機会になりました。

既に理事長トークでレポートしたとおり、「第13回TQM活動発表セミナー」(Vol.197)「第13回看護・リハビリテーション学会」(Vol.199)「第14回チーム医療症例検討会inねりま」(Vol.201)といった、毎年恒例のグループ内の学会が、今年も滞りなく開催されました。いずれも前回を上回る高いレベルの発表が行われ、同時に健育会職員の意識の高さを実感しています。中でも第14回チーム医療症例検討会inねりまでは、全発表に映像を使用したことで今まで以上にわかりやすくなり、皆さんの理解も進んだはずです。民間の医療法人でグループ内の学会がこれほど充実しているところは、他にないと言われており、高く評価されています。また、グループ内のあらゆる職種が参加して発表を行い、意見交換をすることで、まさに我々が目指している“チーム医療”を実践できていると感じています。