Vol.309 2024年度の新入職員中途研修を実施しました

少し話を戻しましょう。これから話すことは、皆さんが働いている病院の話です。我々の病院がきちんと世の中から質が高いと認められるためには、どういう施設になるべきかを考える必要があります。それが「病院理念」です。私の理想は、この理念を掲げたときに皆さんが同じ絵を描けることです。それぞれが思う「いい病院」がバラバラではだめ。みんなが同じ理想的な病院を掲げてベクトルが一つになると、無駄なことがなくなります。そのためには、普段からの意見交換やディスカッションをしていくこと。そうすれば、健育会の病院はどんどん開かれていきます。

そしてこの病院理念を追及するためには、価値(バリュー) を理解することが大切です。我々は7つのクライアントに価値を提供することを掲げています。患者さん、ご家族、地域、紹介元、取引先、職員、株主です。クライアントごとに求められている価値というものが違うため、それをきちんと理解して、求められている価値を提供することが重要です。患者さんには「質の高いサービス」を、ご家族には「安心」を、地域には「貢献」を、紹介元には「満足」を、取引先には「納得」を、職員には「やりがい」を、株主には「名誉」を提供する。
しかし、「質の高いサービス」と聞くと、大学病院や高級な病院が「質が高い」と思われる方が多いですが、それはジャンルが違います。患者さんの求めている医療、介護を行い、生活を送る中で今日も明日も生きようと思ってもらう。しかし、患者さんの求めることは一人一人違います。その違いをちゃんと理解して、求めることを提供する。そのためにはチーム医療が必要です。患者さんの情報を皆さんが共有して、自分たちがやれることを実践する。そうしたチーム医療を確立されている病院が、質の高い病院だと私は思います。