次に、赤十字病院院長の石橋悟先生から「地域連携とチーム医療について」と題した講演をしていただきまし た。
石巻健育会病院とは、石巻港湾病院時代から地域連携を一緒に作ってきた仲間だと思っていまして、本日の講演を依頼された際もぜひやらせていただきたいと快諾いたしました。
まず地域連携からお話させていただきます。
地域連携とは異なる医療機関を患者の状況に応じて円滑に繋いでいくということが定義になっています。まずはじめは1996年になります。その頃は、紹介状を介してやりとりしていました。私が石巻赤十字病院に赴任する2001年以前から病診連携室ができていて、1997年に病診連携、地域で医師会と連携を組みました。
そして2004年に地域医療連携室を開設。その頃から私も少しずつ携わらせていただき、2004年に紹介受付窓口を作りました。2005年には、フリーダイヤルを設置して紹介予約制度を設けました。
登録医会という地域の医療機関、病院に登録するというものが2007年に始まり、2008年は地域医療支援の指定を受けて、実務者ネットワークというものを始めました。これが石巻地域連携の最も根幹になった活動だと認識しています。
その時の石巻医療圏の11病院とその病院連携室の代表者と作ったネットワークで、石巻市、東松島市、女川町の西一町に該当する地域を石巻医療圏と言っていました。2008年から会合が始まり、それぞれの利用機関の情報交換、職種別の分科会や講演会、ケアマネさんとの意見交換、医療会シンポジウムなどを開催してきました。
しかし、2010年くらいまで色々と構築してきた地域連携ですが、2011年の東日本大震災でそれを組み直すことになったのです。
石巻赤十字病院は津波浸水区域から外れた場所に立っており、停電で周囲が真っ暗な中、うちの病院だけ明かりがついていました。自家発電で電気が使えていたのです。それもあり、救急車やヘリコプターで患者さんがどん
どん運び込まれてきました。その人員の対応に必死で、この時は地域のことを考えている余裕は全くありませんでした。
外来の待合ブースで中等症患者の処置をし、待合のところに酸素の配管などを作っていたので、それをうまいこと活用できました。地域の人たちがほぼ避難しに来ましたので、リハビリセンターを開放して毛布を配り、後
日、パラマウントさんから簡易ベッドを寄付していただきそこで過ごしてもらいました。