Vol.343 「健育会グループ第20回看護・リハビリテーション研究会」を開催しました

前半の各発表・質疑応答を終え、座長の永田智子先生から、講評をお話しいただきました。

1演題目-医療従事者の減少が加速する中、医療DXによる効率化と患者さんの個別性に応じた対応は、避けて通れない課題です。何が実践可能で、何が困難であるかを明確に切り分け、その上で、患者さんのご自宅での生活環境を考慮し、オンライン訪問診療・看護を導入していくことが、課題解決に向けた第一歩になると感じました。

2演題目-MMSEという汎用性の高い指標に着目し、臨床上の疑問を追求したことは高く評価されるものです。服薬困難の要因については、考察で推察するに留めず、データによる可視化が不可欠です。今回の研究で得られた気づきを糧に、次なる検証へと繋げていくことを期待しています。

3演題目-多様な認知症症状に対し、複数のケア項目から最適解を選択し、効果を検証した試みは非常に良いと感じました。一方で、入院による環境変化と認知症固有のBPSDとの判別には難しさも見受けられました。どのタイミングで、どのような方に、何の介入が必要か、今後さらに事例を積み重ね、精度を高めていくことを期待しています。

4演題目-リハビリにおける栄養の重要性を前提に、試食などの体験的学習なども通じて職員の意識を深めた点は非常に良いと感じました。また、教育的介入のプロセスで多職種連携が促進されたことも評価される点だと感じます。栄養士やリハビリスタッフとの連携をさらに強め、患者さんの栄養管理向上に繋げていくことを期待しています。

5演題目-在院日数が40日を超える患者に対し、制度上の制約から認定が下りにくい現状は、業界共通の難題です。入院前からの密な情報共有は、入院中の介入をより効果的なものにすると感じます。前段階の情報をいかに入院中のケアへ還元させるかも考慮材料となるのではないかと感じました。

6演題目-退院支援教育が主介護者の不安軽減に繋がったという結果は、非常に素晴らしい成果だと思います。今後は、教育や実践方法の変更が、患者さんや介護者のアウトカムにどう直結したのか、そのプロセスを精査することが重要だと感じます。

7演題目-ご家族の悩みや期待、不安といった複雑な感情を深く汲み取れたように感じました。今後は、心理的変化を捉えるだけでなく、「いかに解決に導くか」を課題に据えて欲しいと思います。ピアサポートの導入なども積極的に検討してもよいのではないかと感じました。

8演題目-ACPの介入において、継続性と繋がりの構築は極めて重要です。入院前の生活背景や価値観を、ご家族やこれまでのケア担当者から丁寧に汲み取ってください。その人らしさを深く把握した上で臨むことこそが、ACPの根幹です。この視点を大切にし、さらに実践を充実させていくことを期待しています。