質疑応答では「全国データ」との差異を問われる場面が多く見られました。研究を行った病院の対象がどのような立ち位置にあるか、常に比較対象を持ってください。また、有意差の有無には必ず検定方法を補足し、強調したい部分は色を変えるなどの工夫をしましょう。
特殊事情が結果に与えたリミテーションを加味し、その上で導き出された「結論」は、冒頭の「研究背景」で掲げた問いへの答えになっていなければなりません。何のために研究が行われ、それによってどのようなことが明らかになったのか、しっかりと結論で示すようにしてください。
パワーポイントに関しても、まだ改善の余地があるように感じられました。
基本的に、スライドには文章を書かないようにしましょう。体言止めや短い言葉に置き換え、同じ言葉の重複を避けてください。スライドは視覚情報に徹し、詳細は口頭で補うのが鉄則です。
今回の発表の中でとくに印象的だと感じたものをいくつか挙げさせていただきます。
熱川温泉病院の「医療療養病棟に10年以上入院する子の親の心理的変化 ~看護師との意図的な対話「語りの会」を通じて~」は、POMSを用いて「語りの会」の運営自体をパッケージ化して普及させられる可能性も期待できる秀逸な研究だと感じました。
いわき湯本病院の「看護師への退院支援教育が主介護者の不安に与える影響」は、看護師教育に加え、主介護者の意見を取り入れた多角的な視点が光っていました。今後は具体的な事例を交えると、より精度が高まるように感じます。
最後に、西伊豆健育会病院の「地域包括ケア病棟における在院日数40日超過患者の特徴と看護課題」は、特性の明確化により、早期対処や予測モデルの構築が期待できると感じました。健育会グループ内で、それぞれ異なるアプローチを行い、比較検討することもできるのではないでしょうか。
健育会グループの研究において最も大切なことは「Our Team」で行うことです。研究内容からスライドのクオリティまで、全員で議論し、ブラッシュアップするように心がけてください。
研究は一度で終わるものではなく、一歩ずつステップアップしていくものです。これまでに培われてきた研究の大きな流れの中で、自らの立ち位置を俯瞰しながら、今後も建設的な研究を続けていくことを期待しています。

