2021年 敬老会の模様
米寿4名、卒寿5名、102歳1名 計10名の方に、ご長寿の表彰と記念品を贈答しました。表彰状を手に満面の笑顔を浮かべたり、感激の涙をこぼされる方もいたり…温かな雰囲気での表彰式でした。その後、患者さん全員に職員手作りの「アマビエのお札」を配布。疫病退散の願いを込めたお札を枕元に置いたり、車椅子にかけたりして大切にされていました。
お昼の御祝い御膳は、松茸ご飯、てんぷら、鰻茶碗蒸し、紅白なます、水菓子。恒例の金箔が散るわりばしが、より華を添えました。
午後は、「リハビリテーション漬けの日常から少しでも気持ちを開放してさしあげたい」というテーマに基づき、雲ひとつない秋空のもと、リハビリ庭園でアトラクションを実施。ゾーン・時間分けをした上で、職員とともにすべての患者さんに楽しんでいただきました。射的や輪投げで豪華景品を競い、木陰で作り立ての綿あめとノンアル飲料を片手におしゃべり…。「初めて金賞もらったわ」、「綿あめの味、懐かしい。食べ始めると止まらないね」、「ぅあぁー、ビールおいしいなぁ!何年ぶりかな」、「そよ風が心地いいね」と、たくさんの弾んだ声が聞かれました。なかでも闘争心は、年齢にかかわらず火をつけるもので、みなさんの気持ちも体も活性化されたようです。高次脳機能障害の影響でいつもはほとんど表情に変化のない患者さんからこぼれるような笑顔が見られたり、輪投げに熱中するあまり車椅子から立ち上がり、職員が驚く場面も。患者さんと職員が一緒になって笑ったり感動したり、楽しい時間を過ごしました。
夕方には、病棟のいろいろな部屋から、「今日は本当に楽しかった」、「アマビエもらったよ」などご家族に連絡される声が聞こえました。コロナ禍が続き、ご家族と一緒の空間で過ごすことはできませんでしたが、3000枚を超える笑顔の瞬間を撮影しましたので、ご家族にもお渡しして想い出を共有したいと思います。
新型コロナウイルス感染症対策のため、本館と別館でそれぞれの開催となり、ご家族の招待、ボランティア及び外部ゲストの参加を見送りました。代わりに「長寿の表彰」と「職員による余興」をInstagramに動画投稿することにより、入居者さん及びご家族に楽しんでいただけるようにしました。
昼食会のメニューは、松茸御飯、金目鯛の味噌漬け焼き、桜海老のかき揚げと、食養課が腕を振るった特製お弁当を用意。
昼食後は、喜寿2名、傘寿2名、米寿4名、卒寿1名、白寿1名の計10名を対象に、長寿の表彰と記念品贈呈を行いました。お嫁サンバの曲に合わせて踊った職員の「ラインダンス」ではみなさん大爆笑。ご家族からのお祝いやお手紙に感極まって涙する方もいました。レクリエーションの上映会では入居者さん同士で会話が弾み、とても温かく楽しい時間を過ごしました。今年も、みなさんの幸せそうな笑顔をたくさん見ることができ、職員も幸せな気持ちになりました。
今年のテーマは“延年天寿”――“自分の力または仏の加護によって、この世における寿命を延ばすこと”を意味します。「歳をとってももっともっと長生きしてください」との願いをこめました。テーマカラーは虹色です。“一人ひとりがそれぞれの色で輝けるように”という思いから選びました。
残念ながら、今年もコロナ禍、緊急事態宣言中の開催となったため、感染症対策からご家族との会食は中止とし、式典には外部の演奏者をお呼びできませんでしたが、その分スタッフの余興に心を込めました。虹のような7色のTシャツに身を包み、津軽三味線の独奏、グラスベルとカリンバの演奏を披露。身近な存在のスタッフの熱演に大きな拍手を送ってくださり、「ふるさと」の演奏では自然と歌を口ずさまれるなど、和やかな時間となりました。また99歳の白寿を筆頭に賀寿の対象の方へ記念品を贈呈。ご自身の笑顔の写真が入った写真立てを受け取られた際は、嬉しそうに微笑まれていました。密を避け2部制にしたことで、スタッフとの距離が近く、ゆとりも生まれたように思います。当日の様子はご家族にオンラインで中継、離れていながらも一緒に楽しい時間を共有できました。
昼食は厨房スタッフの自信作「お祝い膳」。松茸の吸い物、焼き栗、蟹爪しんじょなど秋の豊かな恵みを目と舌で味わい尽くせるようにと、心を込めて調理した品々です。蓋を開けた瞬間「まあ、きれい」、「本当においしい」などの声が聞かれ、大変喜んでいただけたのだと実感できました。会の終わり際には、スタッフに労いの言葉をかけてくださる方もいらして胸が熱くなりました。来年こそはコロナ禍が収束し、盛大な祝賀会が催せるよう、そして来年の参加を楽しみにしていただけるように、スタッフ一同誓いを新たにしました。