最新レポート

療養病棟における家族支援 〜看護職員の意識向上のために家族アセスメントシートを用いて〜 いわき湯本病院 渡邉 静
療養病棟において看護職員が、渡辺式家族アセスメント/支援モデルによる困った場面課題解決シートを使用することにより、家族支援について意識に変化が見られるかを明らかにした。結果、家族支援に関する意識4項目についてシート使用前後のデーター間に統計学的な有意差が認められ、意識が向上した。シートを用いたカンファレンスは、看護職員の意識に良好な変化をもたらした。
回復期リハビリテーション病棟における車椅子移乗時見守り解除の判断基準作成に向けて 〜アセスメント指標を用いて〜 花川病院 濱野 幸枝
整形疾患患者を含む回復期リハ病棟で、アセスメント指標17項目(2項目除外)を用いて、見守り解除に有効な項目を明らかにし、結果、車椅子見守り解除の判断基準として5項目が関連すると示唆された。
看護師の内服準備過程におけるエラー発生要因 熱川温泉病院 矢作 初夏
与薬エラーの発生が多いとされる内服準備過程で看護師がどの作業過程でエラーを起すリスクが高いのかを調査し、勤勉性との関係を明らかにした。結果、勤勉性の高い看護師は内服準備家庭で作業を中断する人の割合が多く、作業中断すると与薬エラーを起す可能性がある。内服準備中に中断が起きないよう環境設定の重要性が示唆された。

看護部門の発表終了後、座長の叶谷先生から以下のような講評をいただきました。

忙しい業務の中、今年度は大変ユニークな研究に着手して頂きました。この知見を元に、すぐにでも看護に生かすことができる、という発表ばかりだったように思います。地域に密着した病院の中で、毎日、患者さんの顔を見ている人でないと浮かばない研究動機にはじまり、有意義な知見を得られ、グループ内だけに留めておくのはもったいないと感じています。
各発表の後、会場から沢山のご質問を頂きました。その内容は、「なるほど」と思うようなものが多かったです。今後、外部の学会で発表するにあたって、頂いた質問内容を解決するような内容を盛り込んだり、情報を追加するなどすることで、更に良い知見となると思いますので、是非取り組んで頂けたらと思います。今後、得られた知見を発表し、日本全体の看護の質の向上、あるいはケアの質の向上に繋がるようにお願いしたいと思います。今年も研究の過程で関わらせて頂き、現場で頑張っている皆さんならではの視点にとても刺激を受けました。このような機会を頂けたことに感謝しております。ありがとうございました。

座長の叶谷先生

教育・研修