最新レポート
- 「病気を治す」から「健康を守る」へ
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- 従来の病院に来る人は、具合が悪くて心配事がある方であり、病院はすでに発症した病気を治すところである。
- 病院での医療が「病気を治す医療」と考えると、地域での医療は「健康を守る医療」と言える。
- 病気を治す医療では対象者が「患者」であるのに対し、地域の医療では、「そこで生活する人」が対象である。
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- 地域には「総合診療医」
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- 地域には、病気を持って生活している方がたくさんいる。地域は、病気を持っている人も病気と共存しながら自分らしく生きがいを持って生活していく場である。
- 病気になったら、まずは「かかりつけ医」に。必要とあれば、急性期病院に紹介する。
- 総合診療医は、「かかりつけ医」として、地域の健康を守る役割。また、地域包括ケアの医療面のコーディネータの役割が求められる。
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- 総合診療医が提供する医療
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- 「場を診る」「まるごと診る」「ずっと診る」という総合診療の目標である。
- 今は3つや4つの病院を掛け持ちで行っているような人がほとんどだが、総合診療医がそのほとんどに対応することになる。
- そうすると地域で発生する健康問題のだいたい95%は総合診療医で対応できるだろう。
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- 地域で活動していくためのヒント
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- 「協調性や優しい性格」は、長寿とはあまり関連性がなく、「真面目で責任感が強い」という性格は長寿と関係がある。
- 高齢になると身体機能が落ちる。しかし、心は成長し続ける。例えば、芸術的な能力も生涯成長する。これを高齢社会で活かしていけないか、そのような街づくりができないかを今考えている。
- 「やりがい」というのは日本独特の考え方。英語圏では通じない考え方で、QOLと近いとはいえ、やはり違う考え方。人は、やるべきこととやりたいことが一致した時にやりがいを感じる。
- 高齢者の皆さんが社会に関わり、やりがいをもって生きられるような街づくりが必要である。
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