最新レポート
- 本格的な嚥下リハを行うようになり、取り組みが周知されてくると、徐々に重度の嚥下障害の患者さんが、食べれるようになって退院する率が上がり、誤嚥性肺炎の発症率、亡くなる患者さんの率が減ってきている状況である。また、唾液を誤嚥している患者さんにおいても、身体を動かしている患者さんは誤嚥性肺炎を起こしにくいということもわかり、嚥下だけに注目するのではなく総合的にリハビリテーションを行なっていくことが重要であると感じられた。
- 函館病院内での摂食嚥下の体制は取り組みの成果もあり整ってきているが、地域はまだ不十分であり院内から地域へと広げる取り組みが必要である。
- 現在、地域に摂食嚥下の取り組みを広げていくために、北海道 道南地方において「連携の促進」「当事者と家族への還元」「地域全体のレベルアップ」を図り、さらに摂食・嚥下の分野の教育と普及に努めることを目的とした「道南摂食嚥下研究会」を発足し、勉強会を定期的に開催している。何より、患者さんに在宅で美味しく食べていただくことを最大の目標にしている。
- 摂食嚥下の取り組みを広げていくためには、「働きかける人の職種にとってどのようなメリットがあるのかをきちんと伝えること」「電子カルテなど既存のシステムをきちんと活用すること」「相手はもちろん自分の仕事も大幅に増やさないようにすること」など、多面的に考えることが必要である。そのように考えることで取り組みのハードルが下がり、かつ目の前の患者さんにより良い治療を提供することにつながる。