Vol.329 「第20回TQM活動発表セミナー」が開催されました

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  • これらのポイントを踏まえ、優秀賞に選ばれた活動について振り返ります。
    前半の優秀賞である、いわき湯本病院の「排泄に起因する転倒転落の改善」は、短い発表ながら非常に示唆に富んでいました。排泄パターンを把握し、ナースコールにすぐ対応できるよう記録を取り、予測して動くという活動は素晴らしいものです。これは排泄だけに留まらず、様々な面で活用できる業務形態の変革であり、優秀賞に値すると感じました。

    後半の優秀賞を獲得した、ケアポート板橋 舟渡おとしより相談センターの「書類仕分けの作業時間短縮」は、作業時間を測定し、リストを作成して業務改善に取り組むという、オーソドックスなTQMの良い取り組みでした。仕分けプロセスを短く合理化することで、ミスの減少が見込まれた、という範囲まで繋げることができれば、さらに内容を広げることができたでしょう。

    同じく後半で優秀賞を獲得した、石巻健育会病院の「緊急入院における入院オリエンテーション時間の削減」は、業務を詳細に分析し、時間を要する部分を特定していました。それぞれの業務を動画に落とし込むことで、重複説明を減らし、順番も業務内容に合わせて最適化されていました。これは患者さんの待ち時間短縮やご家族の満足度向上にも繋がる活動であり、単なる映像制作に留まらず、プロセスに則って作成されていたため、他のケースでも応用可能だと感じました。

    皆さんは課題選定において非常に良い意識を持っています。今後は、今回お伝えした点を参考に、もう一歩考え方を変える意識で取り組み、活動をさらに磨き上げてほしいと思います。

    その後、私から皆さんへ来年のTQM活動について、ビデオメッセージを贈りました。

    抄録を拝見する限り、今年も皆さんが熱心にTQM活動に取り組んでいたということがうかがえました。
    私からは、来年のTQM活動のテーマについてお話しします。
    健育会グループは、過去20年間にわたり、業務改善や医療の質向上を目指しTQM活動を進めてきました。現場に根付き、改善効果を生んだ成功事例がある一方で、残念ながら途中で継続できず、根付かなかった取り組みも存在します。
    次回は、これまでの活動を振り返り、TQM活動における改善が「根付いたテーマ」と「根付かなかったテーマ」に分けて分析をしてください。
    改善活動が根付かなかった要因は、テーマ選定の問題や、根付かせようとする意識不足など、様々な点が考えられます。
    貴重な時間をかけた活動を無駄にするようなことがないよう、強い意識を持って取り組んでください。

    TQM活動に取り組む以上、「安全」「経営」「親身な対応」を結びつけた「Our Team」についてより強い意識を持ち、全職員で活動の必要性をしっかりと認識・分析するようにしてください。更なる進化を遂げたテーマに取り組む皆さんの活動に、大いに期待しています。