5演題目-現場スタッフの切実な声から始まった点が特に素晴らしいです。知識はあっても自信が持てないという共通の課題に真正面から向き合い、形式的ではない真に求められる研修を実施できたことが評価できます。研修実施率100%達成は、綿密な計画と参加意欲を高める工夫による偉業です。スキル習得だけでなく心の不安まで払拭し、実際の対応で応用できたことは、患者さんの命を守る確かな力となります。看護部門に留まらず、他職種の関心を高めた波及効果も、TQMの理想的な姿を体現していました。
6演題目-超強化型老健の役割を果たすため、職員が抱えていた在宅復帰支援への不安という課題に向き合った点が素晴らしいです。単なる業務改善ではなく、個々の気持ちに寄り添った温かい取り組みであり、わずか4ヶ月で「何から取り組めば良いかわからないスタッフ」を0名にしたのはチームの情熱の賜物です。専門性・役割に関する勉強会、職種別マニュアル作成、情報共有の「三位一体の対策」が結果に結びつきました。特に多職種の情報共有システムは、今後の業務効率化と質向上に大きく貢献するでしょう。
7演題目-「ご家族への報告書」というテーマ設定に感銘を受けました。ご入居者とそのご家族との信頼関係構築とは、医療介護従事者にとって最も大切な目標に直結する重要なテーマです。部署の垣根を越えて共通目標に取り組むチーム活動はTQMの理想的な姿でした。ChatGPTのような最新テクノロジーを日々の業務改善に積極的に取り入れた行動力は素晴らしく、この取り組みはご入居者やご家族の幸せ、そして新技術活用の大切さを示していました。
8演題目-光熱費や物価高騰といった身近な課題を「筋肉質な経営を目指す」というより大きな目標に掲げた点が素晴らしく、現場の皆さんが節約を義務ではなく組織貢献として主体的に取り組んでいることが伝わりました。設備投資を伴う改革から日々の業務の工夫まで、ハードとソフト両面から多岐にわたる改革を目指していたように感じます。特にご入居者のADLに合わせた入浴形態の検討は、コスト削減だけでなくご利用者の尊厳を守る温かい視点を感じさせます。目標を大幅に達成したことは、日々の地道な努力とチームの行動力の賜物だと感じました。
9演題目-経営の喫緊の課題に正面から向き合い、具体的かつ達成可能な目標設定がされていました。目標達成後も更なる削減を目指し、新たなTQMチームを発足して活動強化をした向上心と継続的な改善姿勢は、TQM活動の本質そのものです。対策は現場の実情を理解した緻密な分析に基づいて考案されており、単一的視点に留まらない多角的なアプローチが大きな成果に繋がったように思われます。送迎費用の大幅削減は努力の証であり、経営だけでなくサービスの質の向上にも貢献する素晴らしい成果だと思いました。
後半の部においては、ねりま健育会病院の二瓶太志リハビリテーション部長が座長を務め、10題の改善事例が発表されました。
