Vol.342 2025年度健育会グループ新入職員中途研修を実施しました

健育会グループは今年創立73周年を迎えました。30数年前、先代から理事長職を引き継ぐ際、私は「組織は何のために存在するのか」ということを深く考えました。
当時、日本の医療は財政を国に任せながらも、多くの公立病院には多額の補助金が投入されている状況でした。
ちょうどその頃、ソ連で国家財政の崩壊が起きました。国が崩壊すれば、全てのインフラが停止します。ゴミは収集されず、蛇口をひねっても水が出ることはありません。もちろん、医療機関も閉鎖を余儀なくされます。そのような状況で、真っ先に被害を受けるのは、治療や介護を必要とする弱い立場の人々です。
ソ連の崩壊を目の当たりにした私は、「このままでは日本もいつか医療が崩壊する」という切実な危機感を持ちました。
そして、国の補償に頼り切るのではなく、自分たちの力で効率的かつ質の高い医療を提供し続けることこそが私の使命である、と確信しました。
そこで私は、健育会グループの「ミッション」に「光り輝く民間病院グループ」というテーマを掲げました。

介護施設を設立する際にも、私は「何を目的にし、どのような社会貢献を果たすべきか」を深く考え、その答えとして「活力のある高齢社会のサステナビリティを実現する」という使命を掲げました。
日本では年間約89万人の方が医療機関で亡くなられています。その一方で、約47万人もの方々が誰に看取られることもなく、孤独死を迎えられているという厳しい現状があります。
この日本という国に生まれながら、お一人で人生の終焉を迎えてしまうことは、あまりにも悲しいことです。
私は、こうした「看取り手のない方」をゼロにする為に、高齢化社会であっても活力を失わず、最期まで人間としての尊厳を持ち続けていただけるような仕組みを作り、その持続可能性を追求することが、私たちの果たすべき使命だと考えました。
また、介護のために若い世代が仕事を諦めざるを得ないような状況も、決してあってはなりません。介護は私たち「プロ」に任せていただき、ご家族に代わって、高齢者の方々が毎日を活き活きと過ごせる環境を整える。それもまた、健育会グループが担うべき大切な使命のひとつだと考えています。