健育会グループは、「民間」ならではの力を何よりも大切にしています。既存の枠組みに縛られることなく、自由な発想と果敢な行動力を活かした経営は、これからさらに厳しさを増す医療・介護の現場において、不可欠なものになるでしょう。
私が理事長に就任して以来徹底してきた、工夫を凝らした効率的で質の高い医療への取り組みは、昨年、日本経済新聞のコラム「Deep Insight」でも取り上げられました。
健育会グループが掲げる「光り輝く民間病院グループ」は、世の中や患者さんの変化に素早く対応していく「スピード」と、新しいアイデアに対して即座に行動する「チャレンジ精神」を何よりも重んじています。
そして、そうした新たな取り組みに対する責任の所在も明確にしています。
多くの公的な施設では、責任の所在が曖昧であったり、前例のないことに対して拒否感を抱いたりすることが少なくありません。
しかし私は、皆さんが挑戦する全ての取り組みに対して、自らが責任を取る覚悟を持っています。
私はレベル3以上のインシデントについては、24時間以内に全て把握するようにしています。これは万が一問題が起きたとき、皆さんを全力で守るために行っていることです。
私が必ず責任を取ります。皆さんは臆することなく、新しいことにどんどんチャレンジしてください。
民間の医療と公立の医療、その姿勢の差が鮮明に表れた事例をご紹介します。
今から15年前、東日本大震災によって、健育会グループの石巻港湾病院(現:石巻健育会病院)は甚大な津波被害を受けました。
海に近い立地であったため、日頃から徹底した避難訓練を行っていたことが功を奏し、地震直後も素早く患者さんを3階以上のフロアへ避難させることができました。その結果、津波による犠牲者を一人も出すことはありませんでした。
しかし、想定を遥かに超える津波の爪痕は深く、電気、ガス、水道といったあらゆるインフラが遮断されました。
職員たちは極限の状態でも懸命に患者さんのケアに尽くしましたが、国からの支援も届かず、外部との連絡もままならないような先行きが見えない中で、「このまま患者さんと共に凍死してしまうのではないか」という恐怖を感じたといいます。

