また、民間病院の真髄である「チャレンジ精神」を体現しているのが、西伊豆健育会病院の例です。
かつての西伊豆地区は、病院への搬送中に出血多量で亡くなってしまう患者さんが少なくないという、深刻な課題を抱えていました。地域から「救急病院を作ってほしい」という切実な要請を受けた私は、地域に望まれる医療こそが何より必要だと感じ、当時60床の小さな救急病院を設立しました。開設以来、私たちは「絶対に救急を断らない」という誓いを立て、今なおその使命を果たし続けています。
過疎地域の救急医療において、当直医の専門や肩書きは関係ありません。「目の前の患者さんを救う」ことが何よりも最優先です。
もちろん、病院の近隣に住む医師やコメディカルスタッフたちが、オンコールで即座に駆けつけてくれる「Our Team」の固い絆があるからこそ、こうした受け入れが可能になっています。
このような柔軟な対応ができるのも、民間病院だからこそです。多くの公的病院では、「医師が専門外の治療を行い、万が一訴えられたら困る」という理由で受け入れを拒否するケースも散見されます。しかし健育会グループでは、先ほど申し上げた通り、全ての責任を理事長である私が引き受けるという姿勢を貫いています。だからこそ、西伊豆健育会病院は開院から30年以上にわたり、一貫して救急を断らない病院であり続けられるのです。
さらにコロナ禍においても、健育会グループはスピード感と社会貢献への使命感を持ち、大きな挑戦に踏み切りました。当時、回復期リハビリテーション施設であった石川島記念病院を、新型コロナウイルス専門病院へと転換させたのです。この前例のない取り組みは、ニュース番組『報道ステーション』でも大きく取り上げられました。
ここで健育会グループの「ミッション」「ビジョン」「バリュー」についてお話をさせてもらいます。
健育会グループの「ミッション」である「光り輝く民間病院グループ」としての活動は、国の財政に依存し、柔軟な対応が難しい公的病院に対し、「チャレンジ精神」と「スピード」という民間の強みによって大きな力を発揮してきました。
社会情勢も、目の前の一人の患者さんの状態も、刻一刻と変化していきます。その変化に即座に応じられるスピード感を常に持ち、「これをすれば課題を打破できる」と感じたことがあれば、迷わず上司に報告し、すぐに行動に移せるチャレンジ精神を持ってください。全ての責任は私が取ります。皆さんは、果敢に挑戦し続けてください。
「ビジョン」には「クライアントの心を豊かにする病院・施設」を掲げています。
経営資源や地域の特性によって、それぞれの施設に求められる役割は異なります。まずは自らが所属する「病院・施設理念」をしっかりと胸に刻み、周囲の仲間たちと絶えず語り合うことを心がけてください。個々の「病院・施設理念」が実現に近づくことこそが、グループ全体の「ビジョン」を形作っていきます。

