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視覚と身体図式の誤差 健常者と脳卒中患者の傾向と違いについて 石巻健育会病院 齋藤 大地
対象物へリーチする中で対象物の距離が遠い状態で手を伸ばし姿勢を崩してしまう事があるが、視覚と身体図式に関する報告は殆どみられない。そこで、健常者と脳卒中患者における外空間の認識と身体図式に差があるかについて検討を行った。屈曲方向では、誤差が生じやすい事が示唆された。屈曲方向から目標物が近づいてきた場合、前方に机とスポンジ板があり周辺視野からの情報を得られ難くなった可能性がある。また、脳卒中群では屈曲と外転の測定値の差に有意差は認めなかった。
身体的フレイル患者の在院日数に関連する因子の検討 石川島記念病院 斗澤 咲季
高齢入院患者が多い当院においてフレイルを呈し、さらに疾患により心身機能が低下している患者が少なくない。超高齢患者ではFIM運動項目や受傷前ADL、退院時歩行能力や排泄コントロールが自宅退院に影響すると言われているため、当院における身体的フレイル患者の在院日数に影響する要因を歩行能力やADL能力に着目し検証した。在院日数には認知機能とトイレ動作能力の関連が示唆された。また、在院日数が短い患者ほど介護保険を必要としていないことがわかり、早期に介護保険取得、調整を行うことは在院日数を短縮する可能性があることがわかった。
部分免荷による平地歩行とトレッドミル歩行が大腿骨近位部骨折患者の歩行に 与える影響 花川病院 柚原 千穂
免荷トレッドミル(以下BWSTT)に関して先行研究においては整形疾患を対象とした歩行速度改善の報告があるが、免荷平地歩行路(以下BWSOT)に関する報告は少なく整形外科疾患に対してBWSTTとBWSOTを比較した報告はない。当院入院の大腿骨近位部骨折患者に対しBWSTT・BWSOT介入前後での歩行パラメータ変化を比較し使用方法を検討した。結果、BWSTTとBWSOTの介入による本研究対象者の歩行速度改善率に有意差は見られなかった。術後早期にはBWSOT(歩行器などの補助具使用可)を使用、歩行レベルがあがった場合はスピードの変更など難易度設定を行えるBWSTTを使用するなど、対象と時期により使用機器を選択できる可能性が示唆された。
同居家族の介助可否に着目した回復期リハビリテーション病棟における転帰先に関わる因子の検討 竹川病院 佐藤 圭一郎
先行研究において検討されていない、自宅復帰に関係する家族が介助可能なFIM下位項目を明らかにすることを研究目的とした。自宅復帰群で低値だったのは年齢/待機日数/在院日数/在院率であり、高値だったのは入退院時FIM/ 実績指数/自宅復帰指標であった。また、移乗ベッド/移乗トイレ/移乗浴室の3項目の介助可否が自宅復帰に影響することが考えられた。移乗ベッドのオッズ比が高値であったのは歩行不能であった場合に実施する頻度が高い動作であることや、現在の介護保健サービスや福祉用具では支援が十分でない可能性が示唆された。そのため同居家族が自宅での移乗方法を行えるよう入院早期から検討する必要があると考えられた。

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