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熱川温泉病院 田所院長

番組の中でも取り上げられていましたが、リビング・ウイルはご本人の中でも変わりうるものなので、なかなか判定が難しいと思います。我々医師としては、患者さんやご家族と信頼関係を築き、その時々の本音をいかに聞いてあげられるかということ、そしてやりとりの中で、経済的な事情や社会的なことも交えながら、我々が常識を持ってしっかりと私たちの考えをお話しできるかどうかだと考えています。
丁寧に患者さんと向き合って、ご本人やご家族とお話しをして、安らかな最期を迎えられたのに、批判というのは後から来ることもあります。また、日本人には、どんな形でも生きていてほしいと願う人が多いとも感じています。医療人としては、患者さん一人一人にしっかりと向き合い、個別に満足して頂ける最期を目指したいと考えています。

西伊豆健育会病院 仲田院長

うちの病院では、ご家族に対してこのようなグラフで説明をします。縦軸が「ADL」で横軸が「時間」です。患者さんは若い頃と比較すると、ADLがだんだんと低下してきて、今の状態にある。治療をすると、少しはよくなるかもしれませんが、絶対に元のようにはなりませんよ、と説明すると大抵の患者さんやご家族は「もう何もしなくていいです」と納得してくれます。

ADLグラフ

また去年のThe New England Journal of Medicineに、重度認知症の総説がありまして参考になりました。患者さんの代理人に入所時に「以前の患者の指示意向がありますか?」と聞くとのことです。患者さん本人が「何もしなくてもいい」という意思を代理人に示しているなら何もしません。しかし、患者さんの以前の指示がない場合には、その代理人が「あなたが患者さんだとしたら、どうするか」と患者さんの立場に立って考えるそうです。例えば肺炎だったら「1 苦しまないようにだけする。comfort only。」「2 抗菌薬投与までやる。middle of the road approach。」「3 延命治療し、呼吸器までつける」、以上の3択があります。すると、大体の代理人は、1を選ぶといいます。

理事長トーク