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相部
理事長は常々「医療サービス」という言葉を使われていますが、そこにはどのような意図があるのですか?
竹川
医療を「サービス」と捉えることに違和感を覚える方もいるかもしれませんが、一般的にサービス業においては、「サービス」を提供する側が少しでも手を抜けば顧客からクレームが出ます。私はそれは医療の世界でも同じだと考えています。しかし、一般的に言われている「顧客=神様」という考え方は医療の世界ではあてはまりません。顧客(患者)とサービスを提供する側(病院)は常に対等な大人の関係であり、我々は期待されたことにしっかりと応えていくことが大切であると考えています。また期待されたことにしっかりと応えることで、職員の医療職としてのスキルが向上し、人間性も育っていくことがあります。
相部
私は企業の接遇研修を担当することが多いのですが、実は「接遇」という言葉があまり好きではありません。接遇というと、接客やお客様にへつらうことだと勘違いを受けるのです。最近では研修のタイトルを「接遇の誤解」とし、接遇の変わりに「対応力」という言葉を使っています。医療従事者にとって大切なのも対応力だということですね。
竹川
そのとおりです。患者さんが求めるものは人それぞれです。それに応えるマニュアル等はありません。したがって医療従事者は、自分の判断で目の前の患者さんに応えていくことが求められています。まさに対応力です。私は2年程前、病気で1週間程入院したことがあります。このときに初めて患者の立ち場になり医療職と患者の関係について、いつもと違った立ち場から考え、患者が医師に求めるものは‘信頼’であり、看護師に求めるものは‘安心’、セラピストに求めるものは専門性の高いリハビリの‘技術’だという考えに行き着きました。
相部
信頼を得るためにどのような対応がベストか、自分で考えて行動するということですね。
竹川
そうです。例えば医師は、自分が患者さんから信頼されているかどうかを常に自分自身に問いかけていかなければなりません。今まで理念教育には特に力を入れてきました。本日の学卒新社会人フォローアップ研修と相部さんとの対談を通して、職員に理念が浸透しはじめ成果が現れてきていると実感しました。私どものビジョンカードの表紙にもありますが、私は健育会グループで働く職員の一人一人が「光り輝く民間病院グループ」で働く「光り輝く職員」になっていくことを期待しています。
相部博子先生と竹川理事長

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