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2015年11月7日(土)、ホテオークラ東京(東京都港区)にて健育会グループ平成27年度医師研修会が行われました。

今回の研修会では、福井大学 医学部 地域医療推進講座 寺澤 秀一教授をお招きし、ご講演を賜りました。ご講演いただくことになったのは、総合医学ジャーナル「Medical Tribune」2015年2月5日号のリレーエッセイ「時間の風景」に先生が寄稿された文章を拝読し、私がぜひ直接お話を伺いたいと思ったからです。

そこには、先生が研修医の頃の「肺炎の併発で救急搬送されてきた肺がん末期の患者さんに、全力投球の治療を行ったところ、次の日に内科部長に〝君は悪性腫瘍末期の患者の苦痛を長引かせるだけの治療をしていた。患者の人生を考え、家族の意向も聞いて治療方針を立てるべきだ〟と怒られた。しかし、患者さんが亡くなってから、ご家族からは〝ダメだとわかっているのに、できることを一生懸命やってくださった若い先生に救われた〟と感謝の言葉を述べられた。その経験から、内科部長と自分のどちらが正しいのか、答えが出せずに長い間混乱したまま過ごした。」という体験談と、最近になって「私が正しかったのか、内科部長が正しかったのかではなく、〝患者を愛している家族もまたもう一人の患者〟であり、患者と家族に寄り添う診療ができているのかが問われている」という考えに至ったことが書かれていました。

福井大学 医学部 地域医療推進講座 教授 寺澤 秀一先生

このエッセイを拝見したとき、私の考えは内科部長に近いと感じました。それは、もう余命短い患者さんに無理に延命に繋がる治療を施すことは患者さんの苦しみを長引かせることにも繋がりますし、また医療資源の効率的活用という観点からも望ましいことではないと考えているからです。しかし、エッセイを拝読して、果たしてそのような考えだけでいいのか、ということを感じ、ぜひ寺澤先生のお話を伺いたいとお願いをしたところ、心よく受けて頂き、今回の講演が実現しました。

竹川理事長

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