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私は経営者であり、そして医師です。
経営者として、健育会グループで働く職員を管理し統率しなければなりません。
管理とは、「ルールを決めて徹底すること」と私は定義しています。
しかし医師という立場からは、医師を管理することに常に違和感を感じています。

自由裁量権私自身、医学部を卒業してから健育会グループの理事長に就任するまで、勤務医として大学病院、国公立病院、そして民間病院で勤めてきましたが、そのとき私は、自分がその病院の職員であるという意識はありませんでした。なぜなら、医師は医療チームのリーダーであり、診療における自由裁量権を持っていると考えているからです。医師は、患者さんの命を預かる医療専門職のトップです。リーダーシップを発揮して、看護師やセラピストを導き、そして協同し、最善のチーム医療を実現することが求められています。医師一人ひとりが自由裁量権を持っているわけですから、医師を管理するのは不適切であると考えているのです。

以前、国立保健科学院の病院長研修の講師として招かれ、職員の人事評価制度の話をした際に、講演の後、何人かの国公立病院の院長先生から医師には人事評価制度は取り入れてないのですか、という質問を受けました。その時に私は「医師を職員だと思っていないので、人事評価するつもりもないし、そんなことすら考えたこともない」と言うと、「よくそういう考えで経営が成り立ちますね」と言われたことがあります。しかし、私は、医師は医療職のトップとして診療における自由裁量権を持ち、診療を行うことがベストであると確信しています。

そのような理由から健育会グループでは医師を評価制度で管理していませんが、2つの役割を医師に求めています。
1つ目は、「医の倫理の番人であることの自覚」を持ち診療を行うことです。めまぐるしく変る医療制度に振り回されることなく、医師としての信念に基づいた診療を行うべきだと考えています。

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