2015年3月7日、健育会グループ 第9回看護・リハビリテーション研究会が、品川駅近くのグランドホールにて開催されました。各病院・施設からは、約200名の医師・看護師・セラピストが集まりました。看護・リハビリテーション研究会とは、各病院・施設の看護師とセラピストがチーム単位で研究テーマを選定し、1年を通じて研究したテーマを学会形式で発表する場です。この研究会の目的は、医療専門職は科学者として、研究活動を通じて、論理的思考・統計的な視点を身につけ日々の業務に取り組むことで、質の高い医療を提供していくということです。
今回の研究会では、はじめにTNサクセスコーチング株式会社 代表取締役 奥山美奈先生を外部講師としてお招きし、『医療者にとって本当に必要な接遇とは』というご講演を賜りました。
看護師、看護教員、そして母親としてのご経験に即した接遇の講演はとても分かりやすく、今日から生かすことができる話ばかりでした。中でも印象に残ったのは、「患者さんの心はダイヤモンドである」と言うお話です。病気で心が荒れ、どんなに表面が汚れていても、その心はダイヤモンドであると信じ通したとき、医療者の心は最高に光り輝くとのお話に、健育会グループの皆さんもそのようにあって欲しいと思いました。
また、患者さんの「治癒の可能性の動機づけになる接遇」というお話も心に響きました。それは難しいことではなく、例えば同じ内容でも「お薬を飲まないと血圧が下がりませんよ(不安の動機づけ)」と「お薬を飲むと血圧が下がりますよ(可能性の動機づけ)」の違いのように、話し方一つで印象がかわるとのお話でした。そして、そのような接遇ができるようになるためには、「患者さんのことを思い続けることの積み重ねが表出する」というお話でした。
ご講演を伺い、私は大学病院に勤めていたときの気持ちに戻って考えてみました。その頃は、研究・診療に追われてとにかく忙しく時間がなかったため、「次にしなければならないことは何かな」「早く終わらないかな」ということを常に考えていたように思います。そのようなときに患者さんのことを考える時間をつくるのは難しかったという記憶から、昼食の時間に先生に質問させて頂きました。すると、「たった2秒考えるだけで良いのですよ」とおっしゃって頂きました。確かに、2秒だったら忙しかった大学病院時代でも考えることが出来たと思います。日常業務で日々忙しい健育会グループの職員の皆さんも、患者さんのことを思う「2秒の思考」をする習慣を是非身につけて欲しいと思いました。