この度の被災の状況と現在の復旧状況につきまして改めてご報告申し上げます。
宮城県石巻地域は報道の通り、被害は甚大で、石巻港湾病院は、1階天井まで津波が浸水しましたが地震直後より津波到達までの30分間に、入院・外来の患者さんは3階以上へ避難し、地震・津波による負傷者はおりませんでした。しかし、震災直後は電気・ガス・水道に加えて物流も途絶えてしまった状況の中で、厳しい診療環境になりましたが、関係各方面の数多くの皆様のご支援を頂きながら、病院を閉鎖することなく、入院・外来患者さんへの診療を継続することができました。
一方、医療機器や事務機器等は浸水のため全損しましたが、震災後2ヶ月が経過し、建物や設備の復旧作業も進み、ようやく落ち着きを取り戻しつつある状況となっております。津波の被害を受けた1階の完全復旧には今しばらく時間を要しますが、1階にあった外来機能を2階ナースステーションへ移して4月11日より外来治療を再開し、また、都市ガスの復旧の見込みがない状況において、電気によるIH仮設厨房と入浴設備を設置し、ほぼ通常通りの医療ケアを入院患者様に提供することができるようになりました。病棟は2病棟体制の本来の7割稼動ではございますが、すでに、入院患者の受け入れもしております。
関連施設のひまわり在宅事業においては、デイサービスセンターは腰の高さまで津波が浸水しましたが、通所利用者も全員無事に避難でき、建物も改修して4月25日よりデイサービスを再開しております。また、東京より訪問車両21台、原付バイク3台を手配し訪問サービスもほぼ震災前の状況まで回復しました。
また、いわき湯本病院は、福島第一原子力発電所から南に47km程外れているため、被災後も継続して入院患者さんに対しての医療行為を継続しておりましたが、断水に加え風評被害等による物流網が途絶え、病院で必要な飲料水、医療品等が届かなくなりました。しかし、皆様のご支援により、飲料水や救援物資も送ることができました。現在ではすでに通常どおりの入院診療、外来診療を提供できております。
このように、大変困難な状況の中、2病院とも医療機関としての機能をほぼ取戻し復興できましたのは、皆様のご支援のおかげでございます。重ねて厚く御礼申し上げます。
これからまだまだ長い道のりではございますが、私ども健育会グループでは、今後とも被災地の皆様へも貢献できるよう最大限努力し、グループ一丸となって取り組んで参る所存でございます。