2011.5.31
そもそも健育会グループでこのコンサートへの協賛を決めた一番大きな理由は、‘音楽療法’という視点でした。
健育会グループの病院・施設では、音楽の持つ力を医療に活用した‘音楽療法’に着目した取り組みを行っています。音楽療法の定義を平易に述べると、「音楽を日常生活にうまく取り組み、心も身体も健康にさせること」となります。音楽療法のエビデンスについては、まだ十分に確立はされておらず、確信を持って病気に効果があるとはいえませんが、中には、音楽療養を行うことで表情が豊かになり、生きる喜びや張り合いを持つことができたという患者さんもいます。健育会グループでは、人生の先輩である患者さんや利用者さんの尊厳を大切に考え、皆さんの日々の生活が豊かになることを目指して、音楽療法に取り組んでいるのです。
健育会グループの病院・施設では長期療養される方が多いため、手術をして治るような病気とは違ったアプローチが必要となってきます。患者さんの生命力に訴えるありとあらゆる手段をとり、あきらめず挑戦することが重要です。私たちは、患者さんの生命力へ呼びかける手段として音楽療法に限らず絵画を鑑賞することなど、芸術の持つ力は脳への刺激を与えるという点で有効でないかと考えています。
健育会グループの各病院・施設での具体的な活動としては、外部のボランティアの方やプロの演奏家の方をお招きして、定期的な演奏会を開催したり、芸術的な観点から、絵画や写真を廊下に展示し、患者さん、利用者さんに鑑賞していただくような取り組みをしています。また、歌唱活動や楽器活動、音楽体操などはリハビリテーションとして日々のプログラムに取り入れています。