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私から、看護部門の熱川温泉病院の「看護・ケア計画一元化導入に伴う意識の変化~看護・介護の協働を目指して~」の発表を聞いていて疑問に思ったことを質問しました。というのも、私の中では、介護はもともと看護という仕事から派生してきたものでルーツは同じであるという認識があったため、改めて「協働」ということに違和感を感じたからです。そのことについて、座長の叶谷先生から、「ヨーロッパの国々の中には、看護と介護が一元化されており、介護職が経験を積んで勉強すれば看護職になれる国もあります。アメリカでも、高齢者施設をナーシングホームと言い、一元化されています。日本では、介護職と看護職がまったく違う枠組み・制度で成り立ってしまった歴史的な流れから、一元化されていないというのが現状です。しかし、患者さん・ご利用者にとってどんなケアが必要なのかというところは共通ですから、改めて問題提起として介護職と看護職が目標を共有していくことをテーマにしたことは意義があると思います。」とのコメントをいただき、納得いたしました。先生のコメントの後、私から「健育会グループでは、今回の研究発表での取り組みのように、看護は看護の仕事、介護は介護の仕事と別々に考えるのではなく、お互い連携を深めてほしい」との思いを、参加した皆さんにお伝えしました。

看護部門の座長を努めていただいた叶谷先生からは、「これまで『1年かけてまとめられた知見を、健育会だけにとどめるのではなく、外部の学会に発表してほしい』とお話してきましたが、最近では日本看護研究学会という看護の中では大きい学会で、研究が採択され数年前より発表を行っています。回復期リハビリテーションというセッションに健育会グループの発表が含まれることが多いのですが、そのセッションはほとんど健育会グループの発表で占められています。このことからわかるように、回復期リハビリテーション病棟のナースの発表はとても貴重です。これからの超高齢化社会においてこの分野の発展は非常にニーズが高いはずですし、そういう意味でこの分野で健育会グループの皆さんがリーダシップを発揮して牽引していけると考えています。」との講評をいただきました。

叶谷先生

また、リハビリテーション部門の座長を努めていただいた酒向先生からは、「リハビリテーションは効率が求められる時代に突入します。今までは療法士のみでリハビリを行っている回復期リハビリテーション病棟がたくさんありました。しかし平成28年度診療報酬改定では、療法士だけが頑張っている病棟は6単位、療法士を含めたチーム医療でリハビリに取り組む病棟は9単位まで承認するということになります。リハビリの効果については、決められた算定式での27点は、健育会グループのようなチーム医療でリハビリに取り組む病院では確実に上回ることができると考えています。そのような環境の変化の中、これまでばらつきがあった内容を標準化し、健育会パスのようなスタンダードを作ることで、健育会グループの強みを活かした『原疾患管理、全身管理、攻めのリハ』を展開していきたいと考えています。」

酒向先生
このようにお話をいただいたように、看護部門はもちろん、リハビリテーション部門ともレベルが高い演題が多くなってきました。質問応答についても的確なもの、議論を深めるものが増え、10回目を迎えさらに有意義な研究会となったのではないかと感じています。研究会を通じてグループ全体での成長を目指すとともに、これからも積極的に研究成果を外部に発表し、医療・介護の発展に貢献していきたいと考えています。

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