2011.7.25
また、西伊豆病院の院長の時代。私は医師と病院経営の2つの役割を担っていました。院長として日々様々な業務に忙殺される中で、多くの貴重な経験をしました。そして‘病院経営者として求められる役割と責任'と‘医療部門を統括するものに求められる役割と責任'は全く別のものだという考えに至ったのです。この経験をベースに医療部門の責任者(メディカルディレクター)と経営部門の責任者(マネージングディレクター)における管理体制(ツートップ制)という考えにたどりつきました。
このように私はこれまで医師としての経験をベースとして健育会グループの経営を行っておりますが、特に医の倫理を経営に生かすという視点を強く意識しています。そのような考えから、私は現在でも週に1回火曜の午前中に竹川病院での外来診療を受け持っています。これは、目の前の患者さんと向き合い、また現場職員とのコミュニケーションに努めることで、原点に立ち返って‘現場'をしっかりと認識し病院経営を行っていきたいという思いからです。
病院経営については、国の医療制度の影響を大きく受けます。限られた財源の中でより優れたマネジメントにより、質の高い医療サービスを提供できる医療機関が生き残ってゆくべきだと思います。健育会グループは明確な経営哲学を示し、それぞれの病院がその方向に力強く歩んでいくための病院理念の設定や仕組みづくりを行っています。健育会グループのビジョンである「クライアントの心を豊かにする病院グループ」をより高い次元で実現できる組織になることを常に意識しています。