今回の「幸福ヘルスサイエンス」での講義は、特任教授に就任してからはじめての講義となり、政策・メディア研究科教授/環境情報学部教授の渡辺光博先生のお招きで実現しました。医学を学んでいない文系の学生も含めた70名以上の学生が聴講するということでしたから、講義の内容には悩みましたが、活性酸素の生成と除去のバランスが老化現象には大変重要であることや、ストレスをためない「ごきげんな生き方」をすることが活性酸素を減らすことにつながることなどをお話しました。また、ちょうど12月1日から就職活動が解禁になったこともあり、学生の皆さんのヒントにつながればと思い、健育会グループの紹介をお話しました。
講義の後の質疑応答では、「理事長のモチベーションの元となっているものは何か?」「病院では、データ管理が不十分であると聞いているが、どのようにマネジメントしているのか?」「医療の質を上げるために、医師のモチベーションをあげるには?」「病院の競争の際の、重要な要素は何か?」など、多様な質問を頂きました。
もちろん複数の病院・施設経営という難しい舵取りの中で、憂鬱な日がないとは言えませんが、天職と呼べる職に出会ったことがモチベーションの元となっていることや、健育会グループでの経営の質を高めるマネジメントの話、競争の無い職業であることが医師の質の低下に繋がっていると考えていること、また病院の競争については、フェアな競争の大切さや組織の理念を徹底・浸透させることで「考える現場」となり、競争に勝つことができる組織づくりができると考えていることなどをお話しました。
今回は、特任教授になって初めての講義ということもあり、文系の学生の皆さんが講義の内容に興味を持って頂けるかと心配していました。学生の皆さんは、講義中・質疑応答含め、とても真面目に聞いてくれましたし、講義の内容に興味、反応を示してくれました。今後このような講義の機会や我々の施設に来て実学を学んでいただくような機会もあるかと思います。また将来的にはSFCの学生の皆さんと共同研究を行うなどの取り組みができることを楽しみにしています。より多くの方が元気に老後を過ごしていける社会を作っていくために、今後は、SFCとともに有意義な研究や新たなチャレンジを行うことができればと考えています。