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今年の1月にノーベル医学・生理学賞を受賞した山中伸弥教授の講演を拝聴する機会がありました。健育会グループの60周年のスローガン「Vision & Work Together !」は、山中教授の「Vision & Work Hard」というお言葉にきっかけを頂き、発想したスローガンだということは、以前の理事長トークでお話した通りです。今回の講演でも、山中教授がそもそも「Vision & Work Hard」という言葉をかけられたアメリカの教授のお話などされていました。そして今回、山中教授のお話をうかがって、私は研究チームが、山中教授と同じビジョンを共有していたからこそすばらしい研究成果を生み出したという印象を持ちました。山中教授のビジョンは、整形外科医として勤務したときに感じた、「脊髄損傷をはじめとした手術では治せない病気を治したい」というものです。山中教授がこの想いを若い研究者達に語り、チーム全員が教授と同じビジョンを共有していることを私は感じました。

ビジョンを共有することの大切さ

また、「研究成果をあげたのは、必ずしも優秀な研究者ではなかった」と言うお話も、なるほどと思いました。あまり難しいことを考えずに素直にビジョン実現のために邁進できる研究者が、成果を上げたということです。私は健育会グループに入職後、半年経った新人向けの研修で「患者さんのためだと思うことは、どんどんチャレンジしてください。結果、失敗したとしても、私が責任をとります」と必ず話します。山中教授も研究者にむけて、同じようなメッセージを伝えていたとのことです。だからこそ、若い研究者も安心して研究に打ち込むことができ、成果にも繋がったのでしょう。「素直にビジョン実現をめざす」ことができる精神的、そして物理的な環境づくりも、とても大切なのだと改めて感じることができました。

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