2015.7.17
チーム医療症例検討会のはじめには、「みんなで近未来の地域医療を考える」という演題で、聖マリアンナ医科大学 内科学(総合診療内科)教授・部長 松田隆秀先生にご講演をいただきました。ご講演では、我々が地域医療に従事する中での様々なヒントをいただいたと感じています。例えば、現在と2040年の人口予測を比較すると、日本全体では人口が減る傾向が強い中で、神奈川県の横浜北部や川崎北部などでは現在よりも若干増えるとの予測です。そして、特に神奈川の二次医療圏になる熱川温泉病院では、その受け皿として活躍して欲しいというような熱川温泉病院の将来を考える上で示唆となるお話をいただきました。
また、近未来の地域医療に向けて誕生する「総合診療専門医」についてご紹介いただきましたが、先生のお話を伺いながら、私は、総合診療専門医というのは、健康寿命を延ばす医者だと実感いたしました。健康寿命というのは、「その人がその人らしく、その人の尊厳を持って生きていられる」ということだと私は考えています。現在は、その人らしさを考えない医療によって、患者さんの尊厳が失われてしまうということが時に起こっています。それを改善するのが総合診療専門医だと感じました。その人が尊厳を持って生きるためには、どのような治療が必要なのか、どのような生活が必要なのかということを判断することが、総合診療専門医には求められるのではないかと感じました。