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医師研修会の様子

日本人は、死というものを迎える準備ができていないので、ご家族に何かあった時に動揺します。動揺した時には、医師に「何があっても助けてほしい」と願う例が多いわけです。その時、医師が「治療を行っても、患者さんご本人が苦しむだけで、ご家族の後悔にもつながる」と伝え、そして患者さんのご家族に納得していただけるか。それは、日頃からの主治医と患者さんの信頼関係が作れているかどうかにかかっていると思います。

私が大学病院にいた時の指導教授は大変厳しい人で、亡くなった患者さん全員に主治医は「ゼックを取れ(病理解剖の許可を取れ)」と言っていました。「医学の進歩のために、是非病理解剖させてください」と言った時に拒否されるということは、主治医が患者さんやご家族から信頼されていないという証だとも言っていました。これは極端な例ですが、信頼関係がしっかりと築けていれば、主治医の説明を患者さんご家族が納得して受け入れてくださるのではないかと思います。

死因第3位の肺炎"治療控える選択も"学会が新指針案

現在、日本呼吸器学会で改訂作業が進んでいる成人肺炎診療ガイドラインでは、がんの終末期や老衰のために肺炎を起こした場合は、あえて積極的に治療は行わないという選択肢も示しているとのことです。このように、学会でも老衰の患者さんの肺炎治療は積極的に行わないということをガイドラインで示す時代になってきたわけですから、健育会グループの医師には、率先して患者さんのQOLを下げる無意味な延命治療は行わないということに対してリーダシップをとってほしいと願っています。

私から以上のような話をした後、長尾クリニック・院長で、尊厳死協会の副理事長を務められている長尾和宏先生をお招きし、ご講演を賜りました。

理事長トーク