2016.11.9
もうひとつは、これは長尾先生のお話を伺っていて私が感じたのですが、医師のリーダシップとは「導くこと」だということです。延命治療で患者さんのみならずご家族の不要な苦しみと後悔を生み出さないために、患者さんが平穏な死を迎えられるよう、医師が適切な方向へ導いていくことがリーダシップだと感じました。
また、誤解を恐れずに申し上げるなら、延命治療を医療費の観点から客観的に見ても、非常に高額な費用がかかっている現実があり、延命治療が増加すればするほど国の財政面でも大きな負担になります。患者さんやご家族の中には、わざわざ紹介元の病院に戻って延命治療をし、「あの病院で看取りになるなら、しょうがないよね」というその病院で亡くなるのがブランドというような意識もまだまだあるように思います。それが患者さんの平穏な死に繋がっていればいいのですが、必ずしもそうではないのが悲しい現実です。