医療の場合は、医療崩壊という危機の中で、病院の運営に民間が民間としての機能を発揮していくことが大切です。それを実現してくれたのが東日本大震災による津波で被災し、民間らしい迅速な対応によって約半年で全面復旧した石巻港湾病院です。以前の理事長トークでもご報告しましたが、ハーバード・ビジネス・スクールで東日本大震災での対応が優れた日本の企業4社をケーススタディーとして授業に取り上げることとなり、その中の1社に健育会グループが選ばれました(他3社は、ファーストリテーリング、ローソン、ヤマト運輸)。実際に石巻港湾病院のケースを使って先日、ハーバード・ビジネス・スクールで授業が行われたそうです。この授業を受けた学生から「私も、私の同級生たちも大変感銘を受けました」とわざわざメールを頂きました。
また、歴史をひもとけば、23年前に西伊豆病院を開設したときもそうでした。西伊豆で大量出血で患者さんが亡くなる事故が起き、静岡県から西伊豆地区に救急病院をつくりたいという話があり、多方面に声をかけたそうなのですが、採算が合わないと言うことで、どちらも名乗りを上げなかったそうです。そこで手を挙げたのが健育会グループです。当時の厚生省の課長から「僻地救急60床、絶対潰れるから辞めた方がいい」とアドバイスを受けたことを昨日のことのように覚えています。しかし、今では西伊豆病院も僻地医療の最前線として、仲田院長を筆頭に優秀な医療人が集まって救急医療を継続して提供できるまでに花開いています。これも、私は民間の力だと考えています。介護事業も同じです。民間という力で安心した社会を実現するために、介護事業を展開するのだということです。
「介護のMVV」が新しい道しるべとなり、健育会グループの介護事業が社会に貢献「活力のある高齢社会のサステナビリティ」を実現していく力になることを願っています。