2015年6月16日の朝日新聞に、「病床1割削減可能 25年政府目標医療から介護推進」という記事が掲載されました。しかし、記事の中には「病院全体の8割を占める民間病院には削減を強制することはできない」と書かれており、目標倒れになってしまうかもしれません。病院は規制に守られているので、競争原理が働かないことに問題を感じています。私は、病院にももう少しマーケット・メカニズムが働くようにすることで、レベルの低い病院が淘汰され、結果的にいい病院、地域の方から信頼される病院が生き残るというかたちにできるのではないかと考えています。
日経ビジネスでは「2000万人の貧困」という特集を組みました。日本は貧困に対しては福祉で対応していますが、この記事では「福祉より投資」だと書いています。私も若い人たちが社会保障分野に興味を持ち、ビジネスを起こしていってほしいと考えています。社会保障の分野は、多くの雇用を生み出すため、この分野のビジネスによって経済の活性化も期待されます。
SFCに隣接して建設される健育会グループの(仮称)湘南藤沢記念病院では、社会保障分野での新しいビジネスを創生するためのヒントとなるデータをつくることが病院の役割の一つです。具体的に新しい病院は、①藤沢市から望まれている救急医療に対応できる一般病床、②健康寿命を延ばしていく研究をする抗加齢医学臨床研究、③④神奈川県、遠藤地区の高齢者へ対応する回復期リハビリテーション病床/療養病床、⑤⑥家で暮らす高齢者に向けた新しいかたちの在宅支援機能/地域包括支援、⑦SFCヘルスサイエンスラボと協力した新しい健康の街づくり、健康に関するベンチャービジネスの支援、と7つの機能を想定しています。ぜひ学生のみなさんも積極的に病院と関わっていただきたいと思います。