2016.5.6
最後に大切なことをお話しします。それは、「人間の尊厳は平等」であるということです。どんな方であろうと、その人の尊厳だけは平等に扱わなければいけません。「人の命は平等」と学校で習ったかもしれません。私も医学部でそう習いました。しかし私は大学病院で研修を受けはじめて、わずか数ヶ月で人の命は平等ではないという事例をたくさん体験しました。アメリカはどちらかというと、お金でいい医療を買うということが出来ますが、日本の場合はラッキーアンラッキーです。たまたま行った病院に、いい医者がいたということで、それはお金とか貧富の差はあまり関係ありません。病気で亡くなった方のニュースを見ていると、我々医者からすると「不運だな、命を落とす病気じゃないのにな」と思うこともあります。そういう意味で、人の命は決して平等ではありません。現場では必ずしも、平等に扱えません。ですから私はできないのに「人の命は平等だ」とは言えません。しかし、「人間の尊厳」だけは平等に扱えるはずです。これは、健育会グループの文化です。ぜひこのことを忘れないでいただきたいと思います。