理事長そうですか、やはり課題は教育ですね。健育会グループは、職員一人ひとりが能力向上をめざすのは医療人として当然の義務であり、それをサポートするのが経営の役割であると考えています。ねりま健育会病院/ライフサポートねりまは、教育についてどのようなスタンスで取り組んでいますか?
酒向現時点のスタッフの構成の中で、重症な患者さんにしっかり対応して治療できるスタッフは3割でしょうか。あとは半分が新人で、後の2割は経験者だがブランクがある方などになっています。そのような状況の中、教育に関して私が一番大切だと考えているのは「現場力」です。「現場力」を発揮するために何が必要なのかということは、教科書を読むだけでは学べません。総論と各論がありますので、総論については「ねりまセミナー」というのを週1回月曜の夕方に行って学んでもらい、各論については、日々の実践の中でOJTでドクターや上長が指導するシステムを作っています。もう一つ大切にしているのは、研究発表です。スタッフに大きな学会で発表ができるよう指導サポートしています。また医学教育以外のことで言うと、我々はホスピタリティをとても大事にしていますので、事務部門も含めてホスピタリティの教育も行なっています。
矢吹酒向院長より、良い医療をしっかりと行っていくためには事務部門のクオリティも高くなければいけないと指導を頂いているところですので、事務方の教育もしっかりと進めています。また、つい先日、リハビリ部門の新社会人24名が、北海道で行われた健育会グループの新社会人研修に参加しました。行く前はフワフワと浮き足立ったメンバーも、帰って来ると随分引き締まった行動に変わりました。周りの職員からも、「あの子変わったね」という声もあって、北海道での研修についても、非常に良かったと感じています。
採用については、世の中的に厳しい状況ですが、当病院についても同じで、まだスタッフが足りない状況です。私たちは酒向院長の元、「こういう人材が欲しい」ということがはっきりしています。私たちの病院のやり方に賛同してくださる方で、どちらかというと若く柔軟さを持った、やる気のあるスタッフを求めています。採用活動を積極的に行なっていくのはもちろんのこと、採用された方の教育をしっかりと行い、長く勤めていただけるようにしていきたいと考えています。
酒向やはり教育体制が整っていないとスタッフが来ても、すぐに辞めてしまいます。これから教育体制をしっかりと整えて、職員が満足して働ける環境を作り、職員満足度を高めていくことを目標にしています。